ネオ・ビジョンかわら板 -7ページ目

だまされた・・・んですか、やっぱり。

やだなぁ、と思うニュースが、このごろまた目白押しなんですが・・・


①「障害者自立支援法」が再審議に入りました。

 まったく法案の修正もなく。


参考HP


数の論理で、この法案も、すんなり成立するのでしょうか・・・

誰かこの法案のいいところを、教えてください。



②定率減税の廃止による「サラリーマン増税」も、間違いなく審議の対象になるのでしょう。



③アメリカ産牛肉輸入再会で、吉野家はじめとする牛丼チェーンの株価が急上昇・・・


記事


いったいあのアメリカの安全基準で、なぜ輸入が再開できるの?アメリカの圧力に結局屈してしまうだけなんですかね、日本は。下記の薬害問題と同じく、アスペスト問題と同じく、人命軽視は、いつまで続くのでしょうか・・・


参考記事


④今日ニュースを見て、始めて知ったのですが(不勉強!)・・・例の悪名高い「ミドリ十字社」と、無能な厚生省官僚たちによるC型肝炎の薬害問題の裁判が進行しています。画期的、つーかアタリマエの国の責任を認める判決が出ることを祈ります。


記事 (当時の)

(C型肝炎の)薬害訴訟弁護団のHP

いろんな思いがうずまいていますが、とりあえず、書き連ねておきます。

だまされる前に、まずは関心をもつ、です。




いろんなところで大活躍・・・・のイルカくん。

ちょっと前に見かけたニュースです。


先のハリケーン・カトリーナで、毒矢を背負わされた「軍用イルカ」が逃亡した、というニュースです。


http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050927it06.htm (読売ウィークリー)


日本人にとって大切な食料・産業資源だった「クジラ」や「イルカ」を、「知的な動物だから食べるな」だの、「日本人は野蛮だ」などと筋違いな批判を浴びせてくれる国の仕業とは思えませんね(名目は、保護、ですが)。





イルカ

海中地雷撤去にがんばるイルカくん・・・


参考ページ

ちなみにイラク戦争では、海中地雷の大役までやらされているそうです。

平和利用の地雷撤去なら、よいのですが。結局、軍事目的なんでしょうね。


「生きるために食べる」のと「(誰かを)殺すために生かす」。


どちらがまっとうなのか、いわずもがなですね。





ブログについて

最近とんと更新しておりませんでしたが、これからは、もっとてきとーに気軽に書いていこうと思います。


わずかですが、このブログを読んでくれる方がいらっしゃるわけだし、自分なりの意見や感想には責任を、と

思って、少なくとも、なるべく伝わる文章を、とか、自分個人と社会との接点を、とかばかな頭でごちゃごちゃ考えていたが、元のスタンスに戻るです。


結局、バカの考え休むに似たり。ということですね。

つーか、もともと文章得意じゃないし。


自分が積極的に読者となっているブログの方々は、みな、そんなこと強く意識しなくても、自然と、他者との接点を持つ価値ある内容になってるし。


自分の独自性とか、あるべきj自分の理想とか、妙に意識したりしながら書くのはやめた。

あんまり発見や共感のない、言葉足らずで乱暴なブログになるかもですが、それはそれ。自分が書き残したいことは、ほんと、とりとめなく記していくとです。


なんかいまさらですが、そう宣言しておきます。




んで、一言。


当ブログに、URLはりつけたコメント残している、テキサスポーカーだとかいう、アメリカのギャンブルサイト!!


イイカゲンにしろよー、毎日毎日、律儀にコメントよこしやがって。ほんとむかつきます!!

みなさんとこには迷惑コメント・トラバはきてませんかー?


撲滅したいす。ほんと。







アズテックカメラ!!!

アズテックカメラ

1.Oblivious
2.Boy Wonders
3.Walk Out to Winter
4.Bugle Sounds Again
5.We Could Send Letters
6.Pillar to Post
7.Release
8.Lost Outside the Tunnel
9.Back on Board
10.Down the Dip
11.Haywire
12.Orchid Girl
13.Queen's Tattoos


「High Land,Hard Rain」 83年発売作品




ナイフ

1.Still on Fire
2.Just Like the USA
3.Head Is Happy (Heart's Insane)
4.Back Door to Heaven
5.All I Need Is Everything
6.Backwards and Forwards
7.Birth of the True
8.Knife


「Knife」 多分85年くらいか・・・



うおー・・・泣けるぞ。久しぶりに両アルバムを聞きなおしました。


早熟の天才メロディーメーカー、ロディー・フレーム率いるアズテックカメラのファーストとセカンドです。


なんといってもデビューが17歳つーんだからすごい。んで、生み出したのが、当時80年代全盛の「ニューロマンティツク」に代表されるエレクトロポップなど、渋谷陽一いわくの「産業ロック」(なつかしー!!)の反動か、シンプルなアコギベースの「ネオ・アコースティツク」。


疾走感のあるギターに、美しいメロディー。余計な音の要素を極力排除した中、鳴らされる音楽。


「青春」というには、あまりに青い。というより透明に近いような青白さ。


それこそ息が詰まるような、清浄な音楽。



そこから自分が、感じたことは、つまり・・・


「High Land,Hard Rain」・・・「高いところで、激しい雨をうける」


濃度は濃いが、汚濁された空気の、「この場所」よりも、たとえ濃度は薄くとも、たとえ激しい雨に見舞われようとも、純度が高く、清浄な、ここより「高い場所」に、身を投げ出したい・・・


そんな決意を感じさせてくれた音楽が、自分にとってのアズテックカメラなんです。


はっきりいって、青臭い。青春時代にしか、なかなか持続できないよーなピュアな思いが、あふれ出してくる音楽。実は、ちゃんと歌詞を翻訳したわけではないのですが、当時の自分は、メロディーのみから、そんな思いを感じることの出来た気がします。



「Walk Out to Winter」(High Land~収録)・・・「冬の中へ歩き出そう」

そんな「Knife」で切りつけられるような、冷たい空気の「清浄さ」を求めてやまない、ピュアな音楽がアズテックカメラなのです。


んで、そんな青臭さを求めていた青春期の自分の思いを閉じ込めた・・・そんな自分の永遠のマスターピースな2枚のアルバムです。



ちなみにその他ネオアコでは、「オレンジ・ジュース」や「ハウスマーティンズ」なんかも、お気に入りでしたね。そういや、フリッパーズあたりももろネオアコの影響あったなぁ・・・そんな懐かしさに浸っております。



PS:

しかし・・・最近洋楽ばなれが激しい自分ですが、最近メロディーのみからいろんなことを感じ取る能力・感性が磨り減っている気がするなぁ。邦楽の音楽性が進化してるのもあるが。なんか歌詞が分からない分、細かい詩の断片やメロディーから、純粋に自分の勝手な思い入れが出来るのが、洋楽のよいとこだったのですが。想像力の磨耗・・・やばいすね。



「2046」 ウォン・カーウァイ監督

2046

監督: ウォン・カーウァイ 撮影: クリストファー・ドイル

出演: トニー・レオン/木村拓哉/フェイ・ウォン/チャン・ツィイー/カリーナ・ラウ/チャン・チェン/マギー・チャン


いやー・・・なんだかありえねー、おしゃれな男女の恋愛模様を描いた映画ですね。


ストーリーは・・・・


1960年代の後半、香港の古びたホテルに住むチャウ(トニー・レオン)は、それまで自分が接してきた女性たちとの思い出やこだわりを胸に、ある近未来SF小説『2046』を書き始めていく。それは、失われた愛を見つけることができるという“2046”へ向かう謎の列車の物語。2046から帰ってきた者はいないという。ただひとりの男(木村拓哉)を除いては。そして今、男は再び列車に乗り込んでいた…(アマゾン参照)

そんな話しですね。基本的には「花様年華」の続編で、SFの要素はインサート的な扱いの映画です。


以前から感じていたことだが、この人の作品は、村上春樹っぽいなぁ、と。

「天使の涙」や「欲望の翼」あたりの作品は、自分的にはすごいツボの作品なんですが、この辺の作品は、個人的には、村上春樹の「風の歌を聞け」や「羊をめぐる冒険」なんかに通じるものがあるなと感じています。


ありえない状況設定に、ありえない軽妙洒脱な言葉のやりとり。一見無意味に見えて、あらゆる事象、言葉がメタファーや複線だらけ・・・物語を読みながら、友人がそんな言葉を吐いたら、思わずどつきたくなるようなセリフだよなぁ、と思いつつも、その文体と独特の空気感に魅了されていく。


読み終わった後に、なんだか脱力というか、ものすごく力が抜けて、楽になる感じ。村上春樹の初期の小説は、若い頃の自分にとって、ある種の良質なドラッグのような魅力を感じるものでした。


それと同じ匂いを感じるのが、ウオン・カーワィの映画なんですね。

多分何の関係もないところだろうけど、映像化が困難な村上春樹の世界観・空気感(「風の歌・・・は映画化されてましたが、ひどかったな・・・)を、映像に定着させている感じが、自分にとっては凄くツボにはまる映画でしたね。



で、今回の作品はというと、同じ匂いではあるものの、主人公の魂の彷徨には、なんだかいまいちのめりこめないまま終わっちゃいました。

物語の構造や映像的な欠陥、というのはほとんど見当たらないほど、美しく優れた作品なのは認めるので、単に「気分」が乗らなかった、ということで今回は感想は終わり。


しかし、キムタクの役柄=アンドロイドに秘密を打ち明け、恋する男、は相当重要な役柄だった、というよりこの映画で一番好きなシーンだっただけに、キムタクじゃなかったらもっと感情移入できただろなぁ、というのが惜しいですね。


やっぱり、キムタクはキムタク以上のもんではないすね。個人的に、彼の芝居はうざすぎですわ。



PS:

ウオン・カーワイには、是非、自分が春樹の小説でどうしようもなく好きな作品

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の映像化!

をして欲しい!と思う。大好きな作品なだけに、また映像化が非常に困難な作品なだけに、映画化は望んではいなかったが、きっとウオン・カーワイなら、いい感じで仕上げてくれそうな予感がしています。


「パッション」 メル・ギブソン監督

パッション

製作・監督・共同脚本: メル・ギブソン

出演: ジム・カヴィーゼル/モニカ・ベルッチ/マヤ・モルゲンステルン/


いわずと知れた、イエスキリストのゴルゴダの丘で処刑されるまでの聖書のお話しを、ひたすら忠実に再演した映画ですね。


本国アメリカでは、これを見た敬謙なクリスチャンの方がショック死した、というエピソードなど、なにかとアメリカでは話題となった映画です。


こーいう映画は、特にキリスト教信者でもない、自分にとっては、キリスト教の宗教観についてのなんらかの発見や見識が深まれば、という次元で見ちゃうわけなんですが。


基本的には、なにひとつ新しい発見のない映画でした。


ただ、映像描写としては、とにかく磔や拷問のシーンのリアルな痛さは、確かに半端じゃないですよ。

ほんと。キリストが感じたであろう、肉体的苦痛は見事に再現されていると思います。

ただそれはあくまで肉体的な痛み。


人々の罪を一身に背負う、というとんでもない決意をしたキリストの、心の痛みは、残念ながらよくわかりませんでした。


結果、信者でない自分は、何も感じることのできなかった映画です。



ただ、十字架に磔になったキリストの姿、というのは、とんでもなく協力なイコン、であるのはよくわかりました。手足を串刺しにされ、棘の冠をかぶせられ、体中から血を流しているキリストの姿・・・それは、世界中の幾多の宗教のイコンが束になってもかなわないような、強力な実在感がるのでは、と思いました。


いわゆる罪人が地獄などで味わう痛みは、仏教に限らず古今東西の宗教で表現されてるかもだが、信仰の対象となる神様が、直接的な痛みを自ら背負っている、つーのは他の宗教では見たことない気がします。


「痛み」のビジュアル化。


そんなとても分かりやすいイコンを持つキリスト教は、なんだかずるいなぁ・・・と思ってしまう自分です。


ただ、やっぱり、キリスト教の名のもとに行われた支配や戦争、その犠牲者は、世界中の宗教の中でだんとつ、というのも忘れてはいけないと思います。キリスト教が万能、なんてことはないのです。アタリマエだが。


なにごとも「慈悲」の名のもと、行われていくことには、要注意です。
















衆院選挙、その結果について・・・

さすがに、今回の選挙結果は、自分的にはこたえる結果ですね。

投票率も67%。


自分がこれくらいあればいいな、と思っていた投票率。このデータをもってしても、これが国民の総意でないとは、とてもいえない結果ですね。


しかし、自分的には、多くの国民にとって、中身のわかりにくい郵政問題の是非、というより小泉内閣の信任・不信任だと思っていたのだが・・・

自分的には唯一、今回の解散が(理由の不当さは置いておいて)結果的に自民党の複雑であいまいな権力構造の一部を崩壊させたことくらいが、小泉を評価するところなのだが。


そんなにみな、小泉政権を評価しているのか?

違うでしょきっと。ただ、あの単純で明快に見える物言い(内容はからっぽだが)が、「好き」なんだな。


好き嫌いで、評価される政治。「小泉劇場」の役者としての小泉が、「好き」。

政治を判断するのに、「好き」「嫌い」がウエイトを増していく状況、つーのは、ほんとまずいでしょ、と思う。


民主党・岡田のヘボすぎるパフォーマンスも問題だが、自分的には、まじめすぎるくらいの岡田の方に、一旦政権をまかせてみるのもよいかな、と思っていました。



まぁ、いいや。小泉政権の今後に、とりあえず期待するしかないんでしょ。

ならば、今後小泉政権が、骨抜きの道路公団改革の真の改革が進むことや、郵政改革がアメリカへの「売国」の足がかりにならないことを、しっかりとチェックしていきましょう。


たぶん、とりあえず自民に投票したみなさんも、無条件委任のような、こんな勝たせ方するつもりはなかったんだろうし。


また「だまされた」、とならないように。

よりシリアスに、政権の行方を監視していかねば。ですね。












衆院選挙と共に、忘れてならない、「国民審査」!!

さて11日に、注目の衆院選挙がありますが、それと同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査。

毎度毎度、投票所について「あ、調べるの忘れてた・・・」でほぼ白紙委任してしまうのですが。


今回は、衆院選のお勉強とともに、少しは勉強しておかねば!ということで、自分もまだこれからですが、

多分、多くの選挙民は、このこと忘れていると思いますので。


参考までに、こちらのURLを。


国民審査のための最高裁判判事紹介


忘れられた1票


自分的には、諫早湾の干拓の問題や、薬害エイズ、田中真紀子がらみの出版指し止めやらやった、裁判官を罷免したいとこだが。ぱっと見、気になる判決した裁判官が、いまのとこ見受けられないかな・・・


しかし、三権分立がお題目にしかならないような、このご時勢。実は、政治と同じ、自分たちの生活に密接な関係がるのが、国民審査なはずなんで。勉強しといた方がよさそうですね。

ボ・ガンボス&ニューオリンズ

bo/gannbosu

1.助けて!フラワーマン
2.泥んこ道を二人
3.魚ごっこ
4.Hey Flower Brother
5.ダイナマイトに火をつけろ
6.夢の中
7.ずんずん
8.見返り不美人
9.トンネル抜けて
10.ZOMBIE-ZOMB☆(ゾンビ・ゾンバ)
11.ワクワク
12.目が覚めた



日本でも先日の台風による被害が報道されていますが、海の向こうでは、さらにその被害をはるかに上回る天災による被害が、いまだ連日報道されています。

先週のニューオリンズ、ハリケーン被害について。今日の報道では一万人を超える死亡者が予想されているとのこと・・想像を絶する、大変な事態です。


天災の恐ろしさをまざまざと見せ付けられたのはもちろんですが、問題は、その後のアメリカ政府の対応の遅れによる「二次災害」の悲惨さ。


災害対策費用が、イラク戦争以前の十分の一に削減されていたことをかんがみて、

あんまりだ。というお話しです。


貧困の街・黒人の街。そこに政府としての、ある種の差別意識から対応が遅れたのでは?という疑念も語られています。その辺りの事実関係はわかりませんが、どちらのしろ、そーいう災害対策だけは、阪神淡路の時の日本政府よりは、アメリカははるかにプロだろ、と思っていたのだが・・・間抜けとよぶには、あんまりですね、これは。ブッシュ政権の人命軽視のデタラメさが露呈したお話しです。


とにかく、そんなニューオリンズで起きた悲しいニュースを見て、自分が真っ先に思い浮かべるたは、この「ボ・ガンボス」です。


このアルバムは、89年、ニューオリンズで録音された作品。ゲストミュージシャンは、バンド名の由来でもあるボー・ディドリー!さらにネヴイル・ブラザース!!これで、このアルバムが傑作にならないわけはない!!といえる、とにかく、底抜けに楽しく、踊りだしたくなること請け合いのベリーハッピーなアルバムがこの作品です。


彼らの音楽ルーツは、ソウル、ジャズ、ファンクなど南部アメリカの様々な音楽要素を、ボ・ディドリーやネブイル・ブラザースらニューオリンズ出身のミュージシャンが融合・発展・完成させた、セカンド・ライン・ファンクとよばれる音楽。


JBやスライストーンあたりののファンクのように、どっしり重たい地面をたたきつけるようなビートではなく、あくまで軽快でポップ、たとえれば、地面を蹴り上げ、宙に舞うためのビート(自分はそう感じています)。それがセカンドライン・ファンク。


その影響が強い、ボ・ガンボスの音楽は・・・

軽快なカッティングギター、カウベルや笛、マラカス・・・もうお祭り騒ぎのような、にぎやかで楽しい音楽で、純粋に「音」を「楽しむ」という意味でいえば、ほんとの、音楽中の「音楽」だと思う。


オープニングの「助けてフラワーマン」や「泥んこ道を二人で」の突き抜けたハッピーさ。

「魚ごっこ」のちょいお間抜けでシュール、「みんなの歌」なんかで子どもたちにも聞かせたくなるような楽しい曲。「トンネル抜けて」の、ちょいセンチメンタルな曲。「ダイナマイトに火をつけろ」や「目が覚めた」の、退屈な世の中へのポジティブなアジテーションソング・・・


どれもこれも、珠玉の「ビート」が刻まれております。


貧困激しい黒人の街、ニューオリンズで生まれた、ジャズやセカンド・ライン・ファンク。


「貧困」なんか関係ない。俺らは、そんなもん関係なく、毎日を、人生を、音楽まみれで、「お祭り騒ぎ」のように、楽しく過ごしてやるぜ・・・


そんなポジティブな意志を感じる音楽。それがボ・ディドリーやDR.ジョンやネヴイル・ブラザースらの奏でた音楽。それを愛した、ヴォーカルどんと=ボ・ガンボスの音楽も、そーいう意志に満ち溢れていると思う。


どんとが死去したことも関係しているからか、今聞くと、少し悲しげに響くけど、それはある意味仕方ないこと。ボ・ガンボスもそうだが、ボ・ディドリーにネヴイル、DR.ジョン。貧困や差別、退屈や腐敗。世の中の、そーいうものを背負った上で、奏でられるベリーハッピーな音楽だからこそ、悲しみを突き抜けた明るさを獲得できるのでしょう・・・



しかし、ヴォーカルのどんとが死去してから早10年近く。彼らの奏でてきたニューオリンズルーツのベリーハッピーな音楽世界を、日本で再現しているミュージシャンは、ほとんどいないことを考えても、「ボ・ガンボス」は、貴重なバンドだったなぁと思いますね(忘れがちだけど、リズム認識という意味でも、すごいテクニカルなバンドだったし)。


このアルバムの歌詞カードに、メンバーらと一緒に、ニューオリンズの風景が多数掲載されているけど・・・今のニューオリンズの街を見て、天国のどんとは、泣いてることでしょう・・・


と思ったが、どんとならば、やっぱりこう。

ぐちょぐちょのニューオリンズの街を、びちょびちょになりながら・・・


♪泥んこみちを、二人でぇー♪

途方に暮れてるみんなを、そんなノー天気で陽気な音楽を奏でながら、元気付けてくれることでしょう!!そーいうやつです、きっと。



PS:この前、スペシャで見たのだが、映画「サヨナラCOLOR」のためのコンサートのインサート映像で、ハナレ組・永積タカシが、ガンボの名バラード、「トンネルぬけて」をカバーしていました。彼のヴォーカルで聞くこの曲も、ほんと素晴らしかったです。なんか、ニューオリンズの現状と重ね合わせ、涙なしには聞けないい・・・そんな感じでしたね。うん。


ニューエストモデル=ソウル・フラワー・ユニオン&衆院選挙

前投稿記事で、いただいたpkkummyyさんのコメントに、伊丹万作監督のコメントが記されていました。


「だまされた側に責任はないのか?」


戦後日本において、先の戦争について多くの国民が「だまされた」と感じていた頃に、伊丹監督が発した言葉だそう。


そう。自分らが選挙終わって、政治の腐敗のニュースが語られるたびに、思うこと。


「だまされた・・・」



自分は、そういう後悔は、もうこりごりです。

いくら自分が、心持ちだけは、正しくあろうとしても、「だまされた」のでは元も子もないわけです。

そのためには、可能な限りの政治的知識を得て、偏見のない心を持ち続けていかねば。と思うわけです。


そんなわけで、自分が学生時代に、そーとー熱心に聞いた、ニューエスト・モデル、後のソウル・フラワー・ユニオンについて、ざっくりと。


ユニバーサル


「ユニバーサル・インベーダー」  ニューエスト・モデル 92年

1.ソウル・フラワー・クリーク
2.十年選手の頂上作戦
3.もぐらと祭
4.地平線騒ぎ(INVADER MIX)
5.渡り廊下にランプを
6.報道機関が優しく君を包む(PART.2)~この島の処方箋が見たい
7.もっともそうな2人の沸点(INVADER MIX)
8.蒼白の祈師
9.あんよは上手
10.独り善がりの風
11.ソウル・フラワー・クリーク(リプライズ)
12.知識を得て,心を開き,自転車に乗れ!(PART.1)(INVADER MIX)

ワダツミ

「ワタツミ・ヤマツミ」 ソウルフラワー・ユニオン 94年

1.もののけと遊ぶ庭
2.レブン・カムイ(沖の神様)
3.陽炎のくに,鉛のうた
4.たこあげてまんねん
5.戒厳令下
6.向日葵の夢
7.夕立ちとかくれんぼ
8.アイヌ・プリ
9.リベラリストに踏絵を



ロックンロール、ソウル、ファンク。アイルランド民謡や沖縄民謡、果てはちんどん音楽まで。


とにかく音楽の要素にできそうなもんは、全てごった煮にして、強引に肉体を躍らせようとする超強力な「ロック・ミュージック」。


自分は学生時代、ライブに何度も足を運び、そのたびに、体がへろへろになるまで、踊り狂わせられていました。それは、普通に考えれば、すごく肉体的で、ある種の官能的な体験であるはずなのですが・・・


普通、体が躍らせられれれるような状態になれば、頭の中は、一種の「ランナーズ・ハイ」のような、ドーパミン放出状態の快感に支配される状態になるはずなのに、彼らのライブの場合、それがない。ライブの進行とともに、体はどんどん高揚していくのに、頭の中はどんどんクールダウンしていく・・・。それは、なかなか他のミュージシャンのライブでは、体験できない感覚でした。


ダンスという肉体が開放(酷使)された状態で、彼らの歌詞世界=政治的かつ哲学的なアジテーションに、自分の脳が反応し、格闘する・・・そんな、肉体と脳内の、両方を酷使するライブ。それは、ちょっとすごい状態です。


子どもらが遊び場を探している

在るはずの星の数、数えてる

報道機関が優しく君を包んでいる

大人たち付加価値を探している
匂わない郷愁を探してる
行動範囲が君の思考を固めてる

「優しいおじさん」ニュースでしゃべってる
知ってる全てを話しちゃだめみたい


この島の処方箋が見たい

犬が吠えて近づけないよ

報道機関がやさしく君を包んでる


「報道機関が優しく君を包む(PART.2)」より


92年発表のこのアルバム。ネット普及もまだの頃、まだ自分が、現在のようなマスコミ不信のなかった頃の歌。

まだこのへんは、わかりやすい歌詞世界。続けて・・・


華やかな魂を厚紙に張って

穴あけ紐通し首にかけよう

ふくよかな贅肉を食卓に並べ

全ての習慣を笑い飛ばそう

如何にもな詩人を乗せたお花見列車がいくよ

評判な牧師を乗せたお花見列車がいくよ

よう 理解者もあくびしてるぜ

もう 終わりなき議論はやめて

さぁ 啓蒙の気分を捨てて

さぁ 両輪に空気を入れろ!


「ソウル・フラワー・クリーク」より


どうでしょう。現在の社会状況においても有効な問いかけが、多々ないでしょうか。続けてこちら。郵政民営化が「踏み絵」呼ばわりされて、ほとんど魔女狩り的な様相を呈してきた小泉政権を暗示するような曲を紹介。


ケチるな愚痴るな タブーからそれるな

行き詰って黙るな ドンドン次行く

ケチるな愚痴るな タブーからそれるな

耳塞いで黙るな ドンドン次行く

有刺鉄線 塹壕の要塞を見て

モグラたち 単線の街を抜ける

合いの手が確実に興奮を呼ぶ

「教育」の滑走路に踏絵が見える!

補給物資積んだトラック 数珠繋ぎに

首都圏の心臓を目指し走る

倦怠の砦から犬が吠える

「教育」の滑走路に踏絵が見える!


「リベラリストに踏絵を」より


こういう詩の世界観、アジテーションが、すんごい怒涛のファンクミュ-ジックと共に叫ばれる、特異な状況。ボーカル・作詞の中川のすごい声量で、明瞭に耳に入ってくる、明らかに情報過多な、「哲学的」といって差し支えない歌詞世界。それは、つまり・・・


「踊るのはいいが、思考を放棄することは許さへんで」


という彼らのメッセージ。こういう音楽って、日本ではほんと数少ないと思う。

いんちくさい「自由」や「平和」を、漠然とイメージだけで訴えるミュージシャンはくさるほどいるが、聞くものに、ほんとに、自らの「思考」を持って、音楽(=メッセージ)と対峙させるミュージシャンは、ほんと少ない。それも肉体的な快楽衝動とともに!というのはすげーことです。


「知識を得て、心を開き、自転車に乗れ!」


このユニバーサル・インベーダー収録曲が、つまりは、彼らの音楽の全てを物語っています。

もう、はるか15年前になる彼らの音楽は、この時代において、いまだに色あせず、自分を奮い立たせてくれます。


んで結論は・・・


今度の選挙において、郵政含む経済問題まで考えるのは、「難しいから、イメージで投票しようか」と考えそうになったり、結局、この国の政治は自分じゃ「どうにもならんでしょ」、とあきらめそうになったりする「弱さ」を、文字通り、吹き飛ばしてくれる音楽。

それが、じぶんんとっての、ニューエスト・モデル&ソウルフラワー・ユニオンなのです。

この時期にこそ皆に聞いて欲しい、オススメのロックミュージックです。